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ノルウェイの森
- 2009/03/19(Thu) -
ノルウェイの森 上 (講談社文庫)ノルウェイの森 上 (講談社文庫)
(2004/09/15)
村上 春樹

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ノルウェイの森 下 (講談社文庫)ノルウェイの森 下 (講談社文庫)
(2004/09/15)
村上 春樹

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ノルウェイの森は・・・
なんだかとても哀しかったです。
たくさんの人が自分で死を選んでいて、それも悲しかった。
あまり緑が好きになれなかったので、直子が死んで悲しかった。
直子とハッピーエンドになってもらいたかったけれど、それだと小説にはならないのかもしれない。

村上春樹は「超現実」を描くことが上手い作家だと思っていたのだけれど、
(まだ2作しか読んでいなくて、了見が狭いかもしれないのだけれど・・・)
この作品は、「現実」を写し取って描写した作品に思えました。
異次元の世界が描かれていない、と感じた。
冒頭に出てくる回想シーンで井戸のことが描かれていて、
それがもしかしたらそうなのかもしれないし、
阿美寮がそうなのかもしれないけれども、ハッキリと異界が出てこなかった。

性描写が多過ぎて、ちょっと私には刺激が強すぎました。
なにもレイコさんとまでしなくてもいいんじゃないか?と思った。

全体的に、死と性描写がとても多い作品だと思った。

でも村上春樹って面白いし、作家としてはとても良い文章なので
スルスル読めて嬉しかった。

村上春樹と出会えて、私は掘れば当たる宝の山を見つけたように感じました。

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海辺のカフカ
- 2009/03/15(Sun) -
海辺のカフカ (上) (新潮文庫)海辺のカフカ (上) (新潮文庫)
(2005/02/28)
村上 春樹

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海辺のカフカ (下) (新潮文庫)海辺のカフカ (下) (新潮文庫)
(2005/02/28)
村上 春樹

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夏頃から読み始めて、電車に乗っている時などを利用して少しずつ読み進めて、やっと読み終わりました。
とても良かったです。
登場人物が皆、なにかしら負荷を負っているというか、半身が空っぽだったりしていて、見えないところで孤独を抱えて生きています。生きていない人も出てきますが・・・。

僕は世界で一番タフは15才になるために、家出をします、自分の半身のカフカとともに。
僕、のちに田村カフカと名乗る少年は、幼い時に、母と姉に父の元に置き去りにされて、
自分の中に満たされない部分を持って成長してきました。カフカとはチェコ語でカラスの事をいいます。

ナカタさんは、小学生の頃、戦時中で山梨に疎開していて、野外実習の時に山でUFOと遭遇、同時期に担任女教師の生理用品を見つけたことで、滅茶苦茶顔を打たれてしまい、意識を失い、東京の病院に移送され意識を取り戻した頃以降には、読み書きそろばんが出来ない知的障害者になっていました。でも、猫とお話が出来たりする不思議な小奇麗なお祖父さんです。

この二人が東京都中野区野方に住んでいました。
野方、友人が下宿していたので何度か行ったことがあるのですが、
西武新宿線野方周辺は商店街になっていて、少し横に入ると、ごちゃごちゃと住宅があり
なんとなく下町風情な感じで、猫がたくさんいました。でも空き地はなかったなぁ。
そんな感じです。

僕の家出先は四国の高知・・・深夜バスに乗って移動します。そのバスで出会った、さくらという若い美容師の女性に自分の姉のイメージをあてはめて、父の予言通り?夢の中で性交渉を後に持ちます。

ナカタさんは、都の補助の他に猫探しのアルバイトをしていて、その時にジョニー・ウォーカーさんに出会います。このジョニー・ウォーカーさんが実は僕の父親で高名な彫刻家です。まるで異常者のような猫の解体ショーを見せ付けられて、またジョニー・ウォーカーさんにも懇願され、ナカタさんは親しかった猫の川村さんも殺され、気分が悪くなってジョニー・ウォーカーさんを刺し殺してしまいます。

同じ頃、僕は高知のとある神社の中で血まみれになって倒れていました。記憶はありません。
ここで、またもや父の予言である「父を殺し・・・」が的中したのでしょうか?僕がナカタさんに生き精霊にでもなって憑依して父親を殺したのでしょうか?

僕は泊まっていたホテルを引き払って、血友病で女なんだけれど男でゲイという大島さんという私立の甲村図書館の司書の人に、所有している森の小屋一時的にかくまってもらいます。

ナカタさんは交番に自首したのですが、取り合ってもらえず、後で魚を空から降らせます。なんだかキリストみたい。そして、見当もなしに四国、高知を目指してヒッチハイクをし、星野青年と知り合い、その後の旅も同行してもらいます。ナカタさんにとっては初めての友達、星野さんにとっては師匠と弟子のような関係を築きます。

甲村図書館の一室に住まわしてもらえるようになった僕は、館長の佐伯さんという美しい中年女性の若い頃の幻影に恋をします。そして実際の佐伯さんと愛し合うようになります。この佐伯さんは昔、甲村家の長男さんと恋人で、彼が大学生のときに死別します。不思議な人で、何万枚も売ったヒット・ソング「海辺のカフカ」のシンガーソングライターでもあった人。そして、たぶん、僕の幼い時に別れた母親だと思います。ここでもまた父の「母と性交渉をもち・・・」という予言が当たります。

僕の父が刺殺されて警察が僕とナカタさんを追っているのが、わかったので、僕は、取り合えず、また森小屋に身を潜めます。

その頃、ナカタさんと星野君は、入り口の石を見つけ、入り口を開けて甲村図書館へと導かれ、ナカタさんは佐伯さんに会います。佐伯さんも昔、入り口の石を見つけ入り口を開けて半身をなくしていたからです。ナカタさんは、佐伯さんに入り口を開けてあげることが使命でした。そして、自分の半生を語った文章をナカタさんに燃やしてもらうことを約束し、亡くなります。

書類を燃やした後、ナカタさんも亡くなります。

僕は森の奥で、二人のいなくなった兵隊と、若い佐伯さんに出会います。入り口が開いているから入り込めた場所・・・それは冥土とこの世との接点なのでしょうか?

亡くなったジョニー・ウォーカーさんの魂がカフカ(カラス)に語りかけます。入り口を越えたら、猫の魂でつくった笛で悪いことをすると。カラスが反撃しても、ジョニー・ウォーカーさんは倒れません。

ナカタさんの遺体から異形のものが這い出して、入り口の石へ向かうので、星野君が必死に入り口の石を閉じ、異形のものを片付けます。この異形のものは、ジョニー・ウォーカーさんの異界からの姿だったのでしょうか?星野君は猫と話が出来るようになりました。

佐伯さんは、海辺のカフカの絵を、僕に遺します。

僕は東京に戻って、学校を終わらせて、また甲村図書館に戻ってくるでしょう。


以上、こんな感じなんですが・・・


僕もナカタさんも佐伯さんも大島さんも星野さんも・・・半身が空っぽだったりします。
人間は完全になろうとするのでしょうか?補い合おうとするのでしょうか?

ジョニー・ウォーカーさんも、佐伯さんを失ったから・・・猫の魂の笛をつくって、あちら側に渡り、
今度こそ佐伯さんを逃すまい、とするつもりだったのでしょうか?

カーネル・サンダースさんは神の化身だったのか、想念だったのでしょうか?

大島さんも、女らしい佐伯さんが必要だったのではないのでしょうか?

完全は「死」を意味するのでしょうか?

脳がショートしてしまうギリギリを生きている人達(僕、大島さん、星野さん)、またはもう既にショートしてしまって、半分死んでいた人達(ナカタさん、佐伯さん、ジョニー・ウォーカーさん)が、
僕が父親を殺したい、という想念から牽引されて引き起こった様々なことが人々を、より完全なあるべき姿へ誘います。

スプートニックの恋人よりも、主人公が10代の少年なので、より自由な発想と行動が許されているような気がします。

性描写と、暴力と、戦争と、聖。

ナカタさんという無垢な存在にとても癒されます。

なんか、とても良かったです。
もう一回読み直してみたい作品です。

村上春樹って天才ですね。また他の作品も読んでみたいです。







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スプートニクの恋人
- 2008/08/08(Fri) -
スプートニクの恋人スプートニクの恋人
(1999/04)
村上 春樹

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友人に薦められて、旅行に持っていったのですが、
過密スケジュールだったので、日本に帰ってきてから読書しました。

ダン・ブラウンかSFとか、広瀬隆とか小林秀雄とかニュー・エイジの本しか殆ど読まない私が、
恋愛小説、それも初めての村上春樹ということで、どうなるだろうと思っていました。

読んでみて、まず衝撃。吉本ばなな以来の衝撃。
読み易いんですね・・・心に素直に入ってくる。

まず読んでいて、村上春樹という人は、翻訳を多く手がけているのだろうと感じました。
私も拙いですが翻訳をしているのでわかるんですが、文体の構成とか使われている語彙とかに翻訳者独特のものがある。簡潔で読み易い。(私は違いますけど苦笑)
たぶん若い頃からペーパー・バックで英文を乱読されたのではないのかな?と感じました。

すみれっていう登場人物の名前も印象的。
物語はすみれ、ミュウ、僕の3人の非凡な人達が、交錯する話なんですが・・・
20代の若い瑞々しい『恋』を、スプートニクになぞらえています。
たぶん、文中に書かれている『象徴と記号』は、だんだんと変化していくスプートニクの意味について表しているのではないか、と感じました。
最初はブートニクの間違い、でもスプートニクという衛星があって、それがすみれの初めてで激しい恋になんか共通しているものがあって、次にロシア語で「旅の道連れ」という意味もある・・・というように恋の象徴が、そのロシア語の意味で等号に結ばれる記号になるような気がしました。

20代の恋って純粋で熱いものがある・・・心がショートしそうになるくらいに・・・
恋に肉体に焦がれるてしまうものがある・・・アンバランスに。
そんなところから、ミュウの20代にスイスで起こったドッペルゲンガーを引き起こしてしまったのではないかと推測しました。
多次元の存在。
量子力学の世界。
向こうの世界では、フェルナンドに身を任せてしまう淫らなミュウが存在する。
向こうの世界なら、すみれはミュウへの想いを遂げられるのかもしれない。
そして、向こうの世界でなら、僕はすみれと交わることが出来るのだろう。
それは、スプートニクのような衛星や小惑星が楕円かもしれないけれど弧を描き、交差する一瞬にも似ているような・・・それはエネルギーの爆発のようなものを感じました。冒頭の部分です。
そう、量子力学。
最後の部分、すみれから電話がかかてきて電話が切れて、それでも動じなくて僕が、どこへでも行くことが出来る。・・・静かにたぐり寄せていけばいいのだ。と言っている部分。
そして、血はすでにどこかに静かにしみこんでしまったのだ、と言っている部分。
多次元への扉の象徴が、むかし僕がすみれに説明した中国の門なのだろうと感じました。
戦士の遺骨を並べて積み上げて塗りこんだ外壁に犬の血しぶきを浴びせて完成する門。
僕はすみれがいないと現実と繋がっていられなかったのに、ギリシャへの旅が僕を変えた。
僕は確信したのではないだろうか、すみれを見つけ出せると。もう見失うことはないと。
向こう側へ自分も行けると・・・。
まだ10代にも満たないであろう、にんじんの強固な意志に、それはたぶん、母親への思慕が底辺にあり引き起こしたことなのだろうけれど・・・
にんじんの母親との別れ、そして魂の抜け殻のようなミュウ、そしてすみれ。
僕も充分、スプートニクの恋人なのではないだろうか?
そんな風に感じました。

その他については、

村上春樹という人は、どうしてそんなに孤独を感じたのだろう・・・そんな疑問があるんです・・・。

文章の中にアムステルダムでのトランジットの場面が出てきたり、ローマからヴェネチアへ電車に乗った下りが、自分も体験していたことなので、とても雰囲気がわかりました。

そして音楽に深いですね・・・私は、ホロビッツやリヒテル位しかわからなかったけれど、クラッシックに造詣が深い人なのがよくわかりました。これは小説を立体的にさせますね。3次元的というか4次元的というか・・・。

きっと、いつかノーベル賞を取られるのではないでしょうか?
そんな気がしてなりませんでした。
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